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読書記録と日常のあれこれ。

「その日暮らし」の人類学|読書メモ

著者の小川さんがタンザニアや香港へフィールドワークに出向き実体験をもとに執筆された書籍。その日暮らしと聞くと不安定で危うい印象を受けるが国や文化が変われば一概にそうとは言えなくて、逆に合理的なのかもと思ってしまう内容もあった。日本ではあまり相容れなさそうではあるものの、もしかすると戦後間もないころは似たような考え方の人が結構いたのかもなと思ったりもした。
また、変わり身の速さや根拠のない自信をもとに日々を生き抜いている様を見ると、起業家精神とも通じるところもある。
総じて個人的にはその考え方や行動は斬新で参考にできるところもあると感じた。

書籍情報

著者 小川さやか
発行 2016年7月20日
「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)

章立て

  • プロローグ Living For Todayの人類学に向けて
  • 第一章 究極のLiving For Tdayを探して
  • 第二章 「仕事は仕事」の都市世界
  • 第三章 「試しにやってみる」が切り開く経済のダイナミズム
  • 第四章 下からのグローバル化ともう一つの新本主義経
  • 第五章 コピー商品/偽物商品の生産と消費にみるLiving For Today
  • 第六章 〈借り〉を回すしくみと海賊的システム
  • エピローグ Living For Todayと人類社会の新たな可能性

メモ

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あらゆる人間はみな、その日その日を生きている。それを想起していないだけだ。想起することを先延ばしにしているのだ。わたしは明日死ぬかもしれないし、明日人生が一八◯度変わるような恋に落ちるかもしれない。明日のことは誰にもわからない。まして一年先、一◯年先の未来などわからない。何かの拍子に、その日その日を生きている。Living For Todayなわたしの実感が、生々しくわたしの体をゾワゾワっとさせる。

  • 死生観とも近いけどそこまで重たいものでもなさそう
  • Living For Todayはタンザニアの人々が中心に書かれているけど隣国ケニアも似たような考え方の人が多いのではと思う
  • 仕事は点々とするのが普通
  • ノウハウは隠さない。どうせすぐパクられるから
  • コピー商品にもしっかりと需要がある
  • 借りは多く作ったほうがいい。いざという時に頼れるから
  • 困った時は誰かに助けてもらうのが普通
  • 下からのグローバル化
  • とりあえずやる、だめなら他のことをやる