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新しい資源の地図 エネルギー・気候変動・国家の衝突|第1部 第2章 読書メモ

書籍情報

発行 2022年2月10日
著者 ダニエル・ヤーギン
新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突

章立て

  • 序論
  • 第1部 米国の新しい地図
  • 第2部 ロシアの地図
    • 第9章 プーチンの大計画  
    • 第10章 天然ガスをめぐる危機 
    • 第11章 エネルギー安全保障をめぐる衝突
    • 第12章 ウクライナと新たな制裁
    • 第13章 経済的苦境
    • 第14章 反発―第2のパイプライン
    • 第15章 東方シフト
    • 第16章 ハートランド中央アジアへの進出
  • 第3部 中国の地図
    • 第17章 G2
    • 第18章 「危険海域」
    • 第19章 南シナ海をめぐる3つの問い
    • 第20章 「次の世代の知恵に対決を託す」
    • 第21章 歴史の役割
    • 第22章 南シナ海に眠る天然資源?
    • 第23章 中国の新たな宝の船
    • 第24章 米中問題―賢明さがためされる
    • 第25章 一帯一路
  • 第4部 中東の地図
  • 第6部 自動車の地図
    • 第37章 電気自動車
    • 第38章 自動運転
    • 第39章 ライドヘイリング
    • 第40章 新しい移動の形
  • 第6部 気候の地図
    • 第41章 エネルギー転換
    • 第42章 クリーン・ディール
    • 第43章 再生可能エネルギーの風景
    • 第44章 現状を打開する技術
    • 第45章 途上国の「エネルギー転換」
    • 第46章 電源機構の変化
  • 結論 妨げられる未来
  • エピローグ 実質ゼロ
  • 付録 南シナ海に潜む4人の亡霊

第1部 米国の新しい地図

第2章 シェールオイルの「発見」
  • 2007年、EOGリソーシズのCEOマーク・パパは、自社が掘り当てた天然ガスの量が記されたスライドを見てその量に驚いた
  • それは天然ガス市場に大きな影響が出る可能性を感じさせるほどだった
  • その結果から天然ガスコモディティを予測し、別の戦略を立てる必要を感じた
  • そこでシェールガスからシェールオイルへと舵切りを決断
  • 早速動き出し地権交渉人たちに土地の借受けを指示。それも目立ちすぎないよう抜かりなく
  • 最終的に400ドルで50万エーカーの土地を取得。約10億バレルのシェールオイルの確保ができたと予想した
  • シェールオイルは北米だけでなくグローバルなゲームチェンジャーになるものだとわかったのはあとのこと

テキサス州の産油量は10年で5倍増えサウジアラビア以外のOPECのすべての国の産油量を上回った

  • 新たな掘削技術も生まれ、それらを利用することで大量の原油を採取することが期待された
  • いくつもの企業がこのチャンスに飛びつき、テキサス州パーミアンが活況を呈した
  • 2014年の採油量は、最低を記録した2007年には85万バレルだったのが、200万バレルまで急増。これは当時の米国の総産油量の約25%を占めた

要するに、新しい技術の登場によってテキサスはごく短いあいだに変貌を遂げ、並外れた成長の軌道に乗ったということだ。2009年1月から2014年12月にかけ、テキサス州原油生産量は3倍以上増えた。この時点で州の産油量は、メキシコの産油量を上回り、さらにはサウジアラビアイラクを除くOPEC加盟のすべての国の産油量をも上回った

  • これにより、石油資源の地図が塗り変わり、米国はフ復活し、再び世界の主要な石油プレーヤーに返り咲いた

所感

シェールガスの需給バランスが崩れることによる値崩れを早期に予見し、シェールオイルに掛けたパパの決断がすごい。また、シェールオイルについても既存の採掘方法にとらわれず、可能性を信じて技術革新を牽引した先駆者のみが得られる達成感や果実は相当なものだろう。フォーチュン500の上位企業に長年資源・エネルギー系企業が食い込んでいるのもうなずける。このあたりの話はいつの時代も変わらず、少し前なら”情報”が貴重な資源として見られていてWEB2で躍進した企業がその波に乗った。今後はなにがどうなるのかわかんないけどWEB3で話に出てくる分散型社会(非中央集権型)でキーになりそうな技術(ブロックチェーン、量子コンピューティング等)がそうなる可能性があるのか?
a16zやFiNANCiEあたりのチラ見しているけど全然よくわかっておらず、、。
話がそれたけど、マクロ視点で先を見越して早く覚悟を決めて動いたものが勝つ、という感じたした。(もちろん、負ける場合もあるし負け越すほうが多いのかもしれない)