ヤフーアカデミア学長 伊藤羊一さんの著書。キャッチーなタイトルと内容のわかりやすさもあり、かなり売れていたっぽく、読んだことがある人も多い印象。伊藤さんはソフトバンクアカデミアでプレゼン力を磨き、社会人大学院のグロービスでも教団に立っており、いわば人に伝えるプロといえる存在。そんなプロが培ってきた知見をわかりやくす説明されているため、伝える力を付けたい人には非常に有益だと思う。入念な準備とロジカルさと情熱の両輪を用いて実践でも生かしていきたい。以下、自分用のメモとして。
まえがき
- 伝えるために重要なのはストーリー構成
- ストーリーを考える際に「何が大事なのか」「どうしたら相手に伝わるのか」をしっかりと考える必要がある
- だからこそ1分でも伝わるような凝縮した言葉になる
序章 そもそも「伝える」ために考えておくべきこと|うまいプレゼンより、「動いてナなんぼ」
- 人はあなたの話の80%は聞いていない
- 自分がどんなに完璧なプレゼンをしたとしても、自分が話したことがすべて相手の頭の中に残っているということはほぼない
- なので、自分の話を聞いてほしいなら、まず「みんな人の話を聞いていない」ということからスタートすること
- 「1分」で話す
- チームの力を最大限活かすためには、自分の主張を相手にしっかり伝え、理解してもらい、動いてもらう力、すなわち「プレゼン力」が必要になる
- 著者が言うプレゼン力とは、話すスキルではなく、人に「動いてもらう」力を指す
- そもそも聞き手は自分に興味があるかはからないし8割方聞いていない。であれば、その前提を理解したうえで少しでも相手の頭に残し、相手が動くためにはどうしたらいいのか、を考える必要がある
- そこで武器になるのが「1分で話せるように話を組み立て、伝える」スキル
- 著者が言うには1分でまとまらない話は何時間かけて話しても伝わらない。逆に言えば、どんな話でも1分で伝えることはできる、ということ
- 特に、多忙な相手であるほど「1分」の方が聞いてくれる確立も高くなる
- 5分や30分かけて話すべきこともまずは「1分で話せるように」話を組み立ててみる。これができれば格段に伝える力がアップする
- 「右脳」と「左脳に」働きかける
- 人は左脳で理解し、右脳で感じて、それでやっと「動こう」となる
- また伝える側に情熱がなければ人は動かない
- スキルとしてロジカルさと熱狂するマインドを身につけること
第1章 「伝える」ための基本事項
- 誰に、何を、どうしてもらいたいのか、を言語化する
- 特に「誰に」が重要なので細かく分解する
- 立場、興味関心、プレゼンに対する意識、専門要素に対する理解、思考タイプなど
- ゴールは何か|「理解してもらう」はゴールにならない
- プレゼンのゴールは動いてもらうこと
- 理解してもらうことはその要素でしかないので勘違いしないこと
- 結局、動かしてなんぼ|「きれいに話す」のは目的じゃない
- 資料作成や人前で話すことは伝える行為の一部でしかない
- 結局、プレゼンは動かしてなんぼなのでできることはなんでもやること
- プレゼン前の根回し、席の配置、直前のアイスブレイク、プレゼン後のフォローなど、事前準備~本番~本番後のフォロー含めたトータルアクションを設計する
- とにかく、「相手が動くために、できることをすべてやりきる」こと
- また、一方通行ならないよう、あえて「ツッコミどころ」を用意しておき、質疑応答が活発になるよう仕向けるというテクニックもある
第2章 1分で伝える|左脳が理解するロジックを作る
- 1分で話す構造はピラミッドストラクチャーで考える
- 主張と根拠をセットで用意する
- しっかりと考え、結論を導き出す
- 事実やデータのまとめで満足するのはNG
- そこから何が言えるのか?を自身の思考を通して言語化作業が結論を出すということ
- 結論を導き出す考え方として、問いを立て、その根拠を書き出し、根拠に対して「だから何?」と問うてみる。そして、出てきた答えに対して「本当か?」と問うてみる。そうすることで筋の良い結論を導き出すことができる
- 結論に対して、根拠を3ついないにまとめる
- 説明する際は、結論から入り、根拠は3つあります、と宣言することで相手の注意を惹くことができ、説得力も増す
第3章 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう
- 言葉を研ぎ澄ます
- いらない言葉は削る
- 隠れ重複は排除する
- 例)基本的に~、先に述べたように~、~を念頭になど
- カンタンな言葉を使う
- 例)ブラッシュアップします⇒磨いていきます、のように誰にでもわかる言葉にする
- 話が伝わらなくなる4つの残念ポイント
- 1.プロセスを長々と話す
- 聞き手が知りたいのは結論
- 2.気を遣いすぎる(丁寧すぎる)
- 何が言いたいのかわからなくなる
- 3.自分の意見とは違うことを言う(スタンスがわかりにくい)
- どうして欲しいのかがわからない
- 4.過度な笑いを入れる
- 聞き手の気が散るし、じゃま
- 1.プロセスを長々と話す
- 通じないときは、前提を揃えておく
- これもピラミッドストラクチャーで考える
- 前提を聞き手と共有する
- 主張(結論)を明らかにする
- 主張を説明する根拠を複数用意する(3つくらい)
- 意味が繋がっているかチェックする
- だからなに?本当に?の反復
- 集中して聞いてもらうための「スッキリ・カンタン」
- 言葉もスライドも「スッキリ」が鉄則
- 言葉は短く、わかりやすく、言い切る
- 資料は文字と図をバランスよく配置
- 図は視覚的に理解しやすいため、うまく利用する
- 時系列や状態遷移がわかる構成にする
- 理想は読まずに頭に入ることを目指す
- 中学生が理解できるレベルの言葉しか使わない
- 難しい言葉を使い、相手の頭に「?」が浮かんでしまうと話についてこれなくなってしまう
- なので、難し言葉は使わずに、カンタンな言葉に変換する
第4章 1分でその気になってもらう|右脳を刺激してイメージを想像させよう
- 正しいことを言うだけでは、人は動かない
- ロジカルなストーリーだけでは不十分で人は動かない
- 人はイメージを想像することで感情が揺さぶられる
- イメージを描いてもらう2つの方法
- 1.ビジュアルを資料で見せる
- 2.ビジュアル化が難しい場合は、「例えば~」という形で具体例を示す。その際、相手の知識や理解度に合わせたものが望ましい。サッカー好きなら、サッカーにたとえてみる、など
第5章 1分で動いてもらう
- 「超一言」で包み込む
- 自分の伝えたいことを、一言のキーワードで表す。これを超一言という
- 覚えやすく、その一言で、プレゼン全体を表現するようなキーワード
- 例)今日頼んで明日来るサービスです⇒新サービスはアスクルです
- 聞き手への印象付けと思い出しに有効
- いかに「相手の立場」に立って話すか
- 話す前に相手の靴を履く
- 話している自分と相手を俯瞰して見る
- 主観⇒客観⇒俯瞰を意識する
- 「相手を動かす」ためならなんでもやる
- ゴールに対して確実性が高まるのであればなんでもやる
- ちんけなプライドを捨て、根回しでもアフターフォローでもやる
第6章 「伝え方」のパターンを知っておこう
- 結論ではさむSDS
- Summary:まとめ
- Detail:詳細
- Sumally:まとめ
- 万能型のPREP
- Point:主張(結論)
- Reason:根拠
- Example:例示
- Point:主張(結論)
- 新しい取り組みを説明するときのPCSF
- Problem:問題
- Change:変化
- Solution:解決策
- Future:未来
- 伝えたい言葉はあるか
- 人に動いてもらうために一番重要なのは話し手の「想い」
- 「伝えたい言葉」は何か、を自分に問うてみる
- 相手を動かしたいなら、まず自分自身を動かせているか、を意識する
- 動かしてなんぼ
- 相手が動くためにできることを全てやりきったか?
- そのために時間や労力を惜しんでいないか?
- 極論、動かせなければ意味がない
第7章 実践編
- 会議
- 意思決定に参加する、という意気込みと事前準備
- 自分のポジションを取る
- 配慮はしても、遠慮はしない
- 手を上げにくい時はリアクションでアピールする
- プレゼン
- やりきった!と言えるまで練習する
- はっきりと大きめの声で話す
- 脈絡・抑揚を付ける
- 間をコントロールする
- 人数に関わらず、聞き手一人ひとりを向き合う
- オーディエンスに近づく
- 身振り手振りを使う
- 上司への提案
- 対話を意識する
- 前提条件を揃え、認識を合わせる
- ホワイトボード等を使い、同じモノを見る
- 意見が合わない時は、部分的にでも合意できるポイントを探す
- そこから段階的に深めていく
- 反応を見て、本音を引き出す
- 取引先
- 提案よりも問題解決で信頼を作る
- 相手の靴を履き、考え、解決先を提示する
- 聞き届ける
- ファシリテーション
- 最初にゴールを決める
- 軸を決める
- 広げて絞る流れを意識する
- 結論を誘導しない
- 事前準備は入念に行う
- 流れをシュミレーションし、様々なパターンに備える