going

読書記録と日常のあれこれ。

論語と算盤と私|読書メモ

朝倉さんの本を読んだのはファイナンス思考以来二冊目。こっちの方が発行は古かったけど気が進まず放置してた。
まえがきでも書いてあったけどこれまでの経験をベースにした個人の経営観や生き方がツラツラを書かれている。どれもべースがありそうで過去読んできた書籍とも通ずる部分が多かった。もっと著名な経営者と違うのはよい意味でキャリアに一貫性がないので脱力感や肩肘張らないスタンスなところ。比較的若年層で起業を目指している人から指示されそうな気がする。

個人的に参考になる部分や共感できる箇所もあったけどファイナンス思考の方が面白かったというのが率直な感想。(内容がかなり違うのでひかくにならないけど)

各章で印象に残った部分は以下にメモしておく。

書籍情報

論語と算盤と私
著者 朝倉祐介
発行 2016年10月6日
論語と算盤と私

第1章 職業としての経営者とリーダーシップ

  • 経営者の3類型ありフェーズにより求められる資質が変わる。つまり変化or交代は必須
    • 創業期:起業家
    • 成長期:事業家
    • 成熟期:経営者
  • 変革を邪魔するのは「いい人」でいようとする自分
  • 結果、みんな不幸になる
  • 極限状態での決断は「濃霧のなかの賭け」
    • 経営観や直感を信じ、覚悟を決めるしかない
  • 最悪なのは考えるだけで行動を起こさないこと。決断ができなければリーダー失格
    • 足踏みしてても靴底は減る
  • 評論家になるな
  • どん底でのたうち回った後に訪れる「無心」と「覚悟」 by 岡ちゃん

第2章 集団・企業が陥る自己矛盾

  • ミッションは組織の存在理由の明示と進路を指し示す羅針盤

第3章 起業・スタートアップの環境変化

強気相場は絶望の中で芽生え、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福の中で消えていく

  • 深い
  • 良いサービスが勝つ、ではなく、勝ったサービスがよい。と見なされる
    • 世知辛いけど実態はそうなってる
  • この事業内容で起業すべきか?という問いと、この事業内容で資金調達すべきか?という問いを混同しないこと
    • VCから資金調達してTechCrunchに掲載されても何も意味ない。目的にあった手段を堅実に選ぶべき
    • 最も効率的に、かつ自由度たかくやる方法を考える
  • 自分の会社は投資家や株主にとっては金融商品であるという意識を持つ
  • 資本政策は後戻りできない
    • 条件交渉を一歩間違うとひどい足かせを背負うことになる

第4章 成熟・衰退期を迎えた企業の処方箋

  • しがらみの元は関係性、創業神話、愛着
  • ゆでガエルや部屋の中の巨像現象が発生したらやばい
  • 空気の支配をぶち破るには誰かが水をささなければいけない
    • 空気の研究だ

誰もが当事者であるにも関わらず被害者意識を持ち始め、勢い、苦境を招いた「犯人探し」に血なまこなってしまうのです

  • あるある
  • 低迷の原因の多くは環境変化に対応しないこと、変わらないことを選択した結果に紐づく

根本的に体質を変えるには外圧か敗北しかない

苦難を乗り越えて変革を成し得た集団は必ず強くなる

  • 人間は環境の奴隷
  • 強制的に自主性を発揮する仕組みを作る
  • 空気を読んだ上で空気に流されず、率先して空気を作る

第5章 既存企業のイノベーションに対する渇望

  • 新事業創出のコツは外部干渉から距離を置くこと

第6章 資本市場に翻弄されないために

  • 意見は割れても意思決定スピードを落とすべからず

第7章 個として独立するための原則と心意気

  • 朝倉さん的に大事にしているのは動機・選択基準・代替案
    • どれも納得感ある
    • 背水の陣もきらいじゃないけどリスクヘッジはすごく大事
  • 上手にリスクテイクする
  • 安定の担保を企業ではなく自分に求める
  • 失敗しても納得感と経験という財産が手に入る