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読書記録と日常のあれこれ。

指名検索マーケティング|読書メモ

ノバセル田部さんの書籍。「誰に何を」+「選ばれる理由」からスタートして戦う場所を絞る。小さく試して成功したら広げていく。その手段としての指名検索の優位性をラクスルの成功事例と合わせて語られていてかなりわかりやすい。ラクスルはBtoBの中でも比較的早いタイミングでTVCM×Webの勝ちパターンを作っていてこの戦略に至った経緯や当時の文脈を知ることができた。個人的には「はじめに」の部分がささるポイントが多くてその中でも「可視化にこだわる人だけが生き残れる時代へ」は今まさに向き合わなければならないコトだったので念頭に置いて頭を捻っていかねばという気持ちになった。

章立て

  • 序章 指名検索はブランドの強さを図るものさし
  • 第1章 マーケティングで失敗する大半の理由と正しい考え方
  • 第2章 指名検索は事業成長に直結する
  • 第3章 「検索行動」に現れる心理学がヒット率を上げる
  • 第4章 動画広告が指名検索数を大きく伸ばす
  • 第5章 指名検索は”マーケティング民主化”へのステップ

メモ

私がマーケティング責任者としてまず行ったのは「顧客は誰で」「顧客に選ばれる理由は何か」を決めたことです。

「ネット印刷」というカテゴリー自体が新しく、先行企業の社名のほうがカテゴリー名より4倍も検索されていたのです。そうすると、いくらカテゴリー内でシェアをとっても勝てません。社名の純粋想起を増やして「ラクスル=ネット検索」という構図を作り、「ラクスル」の検索が先行企業の社名検索を上回らないといけませんでした。

大前提であり絶対的な条件は、「勝ち」を考えられることだと思います。結果を出すとかインパクトを与えるなど、自分の会社が3年後や5年後にどうなったら「勝ち」なのかを定義して、そのためにどうするかを突き詰める。

マーケターは「顧客に選ばれる理由」を見つける人でもあるので、それを見出して伝わる価値に落とせることは大事な素養です。裏を返せば会社が存在している理由、企業価値を再確認することでもあります。

今後はますます「可視化」できないと話にならない時代になります。

指名検索を伸ばすには「認知×購買意向×今欲しいと思ってもらえるか」の強さの掛け算が必須です。

「知りたいことを検索する」行動と、「どの場所で思い出してほしいか」は、必ずセットで結びついているといっても過言ではありません。

戦う場所や選んでもらえる理由を自分たちで作るべき

「コーヒーといえば?」と聞かれても思い浮かぶ商品が多すぎます。ところが朝専用と言われれば1つの商品が思い浮かぶのです。誰に届けたいのか、対象顧客を絞るのが1つのアプローチ方法です。

指名検索はストック型で、リスティング広告はフロー型です

Web広告でローワーファネルにばかり注力している企業は多く存在します。しかし一瞬効果が出ているように見えても、ローワーファネルだけのアプローチ方法は今後はさらに難しくなるでしょう。どんどん尻すぼみになり、いずれ顧客がいなくなってしまうことが予想されます。
そうならないためにも、ブランド認知で上位に指名検索され、価値が高まる未来を見据えてさまざまな集客経路で新規顧客の開拓を進めていきましょう

・独自性を再発見する
・他社とは違うポジショニングを取り、独自のユースケースを作る
・他社にはない独自性を作る

2014年時点のラクスルは、実は現在と商品構成はそれほど変わっていません。では当時、まったくもって売れていなかった理由は何かというと、単に「ラクスルが知られていなかったから」です。知ってもらい、購買意向が高まって初めて買ってもらえるわけですが、とりわけデジタルマーケティングの場合は顕在層に向けたアプローチに終始して、潜在層を顕在化させるのは難しいのです。すると、特にインターネットサービスに閉じている商品はWebだけを通じた集客と購買の限界に突き当たり、一定数にリーチしくつし、やがて飽和を迎えます。