格差の根本にある余剰とその余剰を管理するために生まれた仕組みが今現在も残っている。それらは空気のように当たり前に存在しているので実は不公平でおかしなことだと中々気づくことができない。そんなことが前半に書かれていてちょっと前に読んだ「実力も運のうち」の内容を少し思い出した。
後半で書かれている自動化が進んだ先の未来についてはハッとさせられたし全体を通して考えさせられる内容だった。
ざっと目を通しただけなので何回か読み直して理解を深めていきたい。
章立て
- プロローグ 経済学の解説書とは正反対の経済の本
- 第1章 なぜ、こんなに「格差」があるのか?
- 第2章 市場社会の誕生
- 第3章 「利益」と「借金」のウェディングマーチ
- 第4章 「金融」の黒魔術
- 第5章 世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界
- 第6章 恐るべき「機械」の呪い
- 第7章 誰にも管理されない「新しいお金」
- 第8章 人は地球の「ウイルス」か?
- エピローグ 進む方向を見つける「思考実験」
メモ
- 格差のきっかけは余剰
- ふたつの格差
- グローバルでの格差
- 裕福な国と貧しい国
- 社会の中での格差
- 国の中での格差。貧しい国でも一握りの金持ちはいる
- いずれの場合も原因をたどると余剰にいきつく
- グローバルでの格差
- 「当たり前」に疑問を持ち続ける
- ふたつの価値
- 経験価値
- お金に変えられないもの
- 交換価値
- 市場価格を反映したもの
- 経験価値
- 現代は交換価値が主流で経験価値が希薄化している
- 経済的なものさしでしか価値を測れない世の中
- 労働市場はイギリスの囲い込みから始まった
- 土地も道具もない人は労働力を売って生計を立てた
- 生産→分配→債権・債務
支配者だけが国を支配する権利を持っていると、庶民に固く信じさせればいい
最も低い価格を提示できた者が、最も多くの顧客を獲得できる。最も安い賃金で労働者を雇えた者が、最も多くの利益を手に入れることができる。最も生産性を上げた者が、どちらの競争にも同時に勝てる。
市場社会では、すべての富が借金によって生まれる。過去3世紀のあいだにありえないほど金持ちになった人たちはみな、借金のおかげでそうなった。
- 経済は全ての人に頼っている
人々が信じている限り、国債には必ず買い手がつく。その意味で、国債は特別だ。これほど安全で換金しやすい債権はほかにない。だから銀行は国債が大好きなのだ。
- 自動化(機械化)の弊害
- 自動化でコストが下がる
- コストが下がっても企業同士の競争によって価格を上げにくくなり利益は最低限にとどまる
- 自動化で労働力が機械に置き換わるとその分需要がへる
- 人は何かを買うが機械は何も買わない
- これにより市場が縮小し経済が停滞する
君には、いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも賢く、戦略的に怒り続けてほしい。そして、機が熟したらそのときに、必要な行動をとってほしい。この世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿にするために