最近の世界情勢の状況から資源や地政学関連の書籍を読みたいと思い購入。アマゾンでポチッたのだけれど到着まで約2週間ほど掛かったのでこの手のジャンルが注目されていることがわかる。本当は一気読みしてまとめようかと思っていたけど全500ページかつ専門的な話が多いため、理解を深めるために細かく読んでまとめる方針に変更。
まだ、少ししか読めてないけどどの章も興味深い内容ばかりなので読み進めるのが楽しみ。
今回は第1部 第1章のまとめから。
書籍情報
新しい世界の資源地図―エネルギー・気候変動・国家の衝突
発行 2022年2月10日
著者 ダニエル・ヤーギン
章立て
第1部 米国の新しい地図
第1章 天然ガスを信じた男
- 移民であるサヴァス・パラスケヴォポロスは貧困から脱出するため米国に渡り、「マイク・ミッチェル」に改名
- テキサスの大学で地質学と石油工学を学ぶ
- 第二次世界大戦後、ドラッグストアの2階で地質コンサルティング会社を立ち上げ
- 世界の人口過剰で天然資源が枯渇するという予測書を読み、石炭よりクリーンと言える天然ガスはミッチェルの大義と化した
- 1981年、天然ガスの商業採掘が可能だという論文の草稿を読む
- この可能性に賭け試験を開始
- 周囲は懐疑的に見ていたがミッチェルと一部の従業員は可能性を信じて試験を続けた
- 幾度とない失敗の後、1998年の春、活路を見出す
- ただ、資金不足や家庭の事情で会社の売却手続きを行う
- しかし、買い手がつかず結局ミッチェルが継続することに
- 2000年、ミチェルの会社の天然ガスの生産量が倍増
- これに目をつけたデヴォン・エナジーはミッチェルの会社を35億ドルで買収
- この買収により、フラッキングに水平掘削を組み合わせるという新機軸に挑む姿勢を整えた
- 米国大手の資源メジャーは国内生産からは撤退したままで見切りを付けていた
- そのため陸地の資源は独立系の事業者にチャンスが残っていた
- 産出が見込めるスイートスポットを先んじて見つけるため、地権交渉人が活躍した
- 2008年、米国の天然ガス生産量が予想に反し、上昇に転じた
- これに注目した何社かのメジャーは投資の一部を国内の陸地に戻し始めた
- 2011年、米国の天然ガスの可採埋蔵量は10年前より70%増えたとされた
- 天然ガスの生産量は急増し「シェールの疾風」と呼ばれた
- 不足していた天然ガスの供給過剰に転じると価格が急落した
- エネルギーの王者「石炭」は1970年代から1980年代にかけての政策によって築かれ地位を保ってきた
- 1990年代に入っても電源に占める天然ガスの割合は17%を超えずだったシェールの登場により天然ガスの価格競争力が高まった
- また、環境問題で石炭への批判が強まり、天然ガスへの期待が高まった
- 2007年人天で米国の電力の半分は石炭だったが2019年には24%まで下落し、天然ガスは38%まで上昇
- 米国経済が2倍に成長しながら二酸化炭素排出量を1990年代初頭レベルにまで下げられたのは、これが大きな理由だった
- これで値段の張るLNGを輸入するという考え方は消え去り、安価な天然ガス市場をいかに見つけるか、という考え方に変わっていった
- なぜなら、米国には天然ガスがあり余るほどあるから
所感
石炭の時代から天然ガスへシフトした歴史を垣間見ることができた。いつの時代も資源が恩恵と争いを生むので、その歴史と背景を理解しておくことは非常に重要。もっと勉強したい。