日経クロストレンドの連載企画を書籍化したもの。高岡さん、鹿毛さん、さとなおさんなどの界隈の著名人が各テーマにそった考えを述べていて、ここ数年のマーケティング界隈で起こったできごとがおさらいできるような内容。
また北欧暮らしの道具店やオモコロなど、個社ベースの施策や考えについても触れることができるので参考になる。
章毎に読み切りかつボリューム感も少なめなのでサクッと直近のトレンドや本質的に大事なことをおさらいしたい時に読むとよさそう。
章立て
- 第1章 マーケ炎上事件
- 第2章 マーケの誤解
- 第3章 顧客とどう関係を築くか
- 第4章 マーケの新しいかたち
- 第5章 愛されるマーケ
- 第6章 顧客は「人」なんだ
- うざいと思われがちなリタゲをうまく活用したLINEMO
- 「面白いとは分かること」
- ①理解できる
- ②共感できる
- ③動機につながる
閲覧数(PV)など、定量的な部分だけを目標に掲げると、不必要に顧客をあおってしまうことにもつながりかねない。こうした点で、第一に、企業と「顧客にどんなリアクションをとってもらいたいのか」を話し、その結果は数値だけでなく、アンケートで寄せられる生活者のリアクションを見てほしいと伝えている。リアクションとは、アンケートのフリーコメント(インセンティブなし)。純粋な感想が記入され、無理や忖度のない率直な思いが分かる。また、数百というフィードバックを得られるプロモーションの成果は、PVや滞在時間など、定量的な部分にも出るという。
- 「顔のない人」をお客様として設定していないか
- ステークホルダー感情リスクチェックシート
では、どうやってインサイトを見つけるのか。毎年博報堂では、クリエイティブ職の新人社員研修としてタウンウォッチングをしてもらいます。街を歩く中で、今までの常識だったらあり得ないことをやっている人を見つけてメモしてきてもらう。そして、そうした変な行動をする裏側にある欲望ってなんだろうと、どんどん言語化して考えてもらうのです。 そうして見えてくる欲望は、もしかしたら多くの人が水面下で沸々と持つものかもしれません。人間って自分の欲望を言語化はできないけど先に行動に出るんですよね。言語化できていない欲求は、常識から外れたおかしな形で発露します。