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読書記録と日常のあれこれ。

すべては一杯のコーヒーから|読書メモ

米国シアトル発祥のタリーズを体当たりの交渉で日本展開のライセンスをもぎ取り、スペシャルティコーヒー界の巨人スターバックスや国内コーヒー市場の競合と凌ぎを削り、最終的に伊藤園へバイアウトし経営から身を引くまでの物語。
この本を読むまでタリーズスターバックスの二番煎じ(すみません、、)と捉えていたが、”スペシャルティコーヒー”という言葉自体が浸透していなかった1997年代からその可能性に魅せられ、スタバとほぼ同時期に国内1号店を銀座にオープンさせ、大資本(スタバは当時サザビーリーグが運営)VS脱サラの松田さんという状況から知恵と工夫、マグマのような情熱を武器にここまで大きく成長させたということを知り、本書を読み終える頃には松田さんに対する尊敬の念とたまにはタリーズに行こうかな、というキモチになった。(実際行くようになった)
パワーをもらえたり、気付きを得られると思うので、起業を目指している人、すでに起業している人、夢を叶えたいと思っている人おすすめしたい。

書籍

すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)

ざっくりストーリー

  • 友人の結婚式に出席するためボストンを訪れた。当時米国ではスペシャルティコーヒーがブームとなっており、そこで飲んだ一杯のコーヒーに衝撃をうけ、日本国内にこの味を広めたいと考える
  • どうせなら至高の味を持ち帰りたいと思い、シアトル中のスペシャルティコーヒー店を飲み歩き、コーヒーの味や上質なインテリアが際立っていたタリーズと出会う
  • コネなしの松田さんは何度もメールでラブコールを送り、時には事業計画書なども添付していたが進展せず、、
  • その後、タリーズ開拓時に知り合ったアイスクリームメーカー ダンキンス社長の口添えなどもありなんとか活路を見いだせるか?という状況に
  • しつこく連絡しているとタリーズ創業者のトム・オキーフが日本へ出張している問情報を掴み宿泊先である帝国ホテルへ突撃し会食の機会をゲット
  • 日本の某社と国内展開の相談をしていたトムを引き止め、その圧倒的な熱意と戦略でタリーズの独占ライセンスを奪い取る
  • この後も、輸入に関する行政との戦い、資金調達も苦戦、店舗探しも信用の無さからうまくいかず、、と苦難の連続
  • それでもめげずに改善と工夫を繰り返し、2号店をオープンし、その後は縁あって三井物産本社ビルに出店
  • 信用力も高まり多店舗展開し、創業から4年で上場を果たし、ついには国内トップ3の座に付くことができた
  • ただ、仲間の裏切りやあくどいパートナーの罠にはめられたりと苦難は続く
  • 最終的にホワイトナイト的に登場した伊藤園にバイアウト
  • 松田さん自身も経営から退き、ネクストチャレンジに向けて動き出すことになった

印象に残ったポイント

  • 圧倒的な行動力
  • 考え続ける
  • どんな苦難が訪れてもあきらめない心
  • 騙されても誠実さを貫き、自身の正義のためフェアに戦う
  • 会社とは人こそすべて
  • 身近な仲間を一番大事にする
  • 自分の弱さを自覚し、受け入れる
  • 夢を持ち目標を明確にする
  • 初心を忘れない
  • 感謝する
  • 夢と目標を持ち挑戦を続ける