ブロックチェーンの理解を進めるために読んだ書籍。聞いたことあるけどよくわからん。という人向けに書かれているらしく、たしかにわかりやすく説明されているように感じた(それでも自分には難しい箇所もあったが、、)。ブロックチェーンの思想と技術、現在地と今後の可能性をざっくりは理解できたので別の本を読んで知識を深めていきたい。
以下、振り返り用のメモとして。
章立て
第1章 なぜ社会現象になったのか
第2章 特定の値を導く「ハッシュ」
第3章 さまざまな事象への「ハッシュ」の応用
第4章 不正できない構造が連鎖していくしくみ
第5章 ブロックチェーンが抱える課題と他分野への転用
終章 最初の理念が骨抜きにされると、普及が始まる
ポイントメモ
- 日本国内ではブロックチェーン=仮想通貨(暗号試算)という認識の人が多い
- 仮想通貨はマウントゴックス事件で有名になり、それが負のイメージを与えた
- 本来仮想通貨はその名の通り現実の通過を代替として開発されたがそれよりも投機として捉えられている
- ステークホルダーとしてマイナーが存在するが、マイニングは最新のコンピューターを用いて膨大な量の計算が行われているため莫大な電力が必要となる
- 本書では触れられていないが莫大な電力が必要がゆえに中国企業の寡占状態にある
- ブロックチェーンはビットコインを構成する基盤技術であり、もちろん他の分野にも転用可能
- ハッシュとはもとのデータから特定のサイズの別のデータを計算によって作ること。普通のPCでも作成可能
- ハッシュ値は16進法で書かれている
- アルゴリズムごとに必ず同じ結果となる
- 何かしらのデータを改善するとハッシュ値も変わる。そのため、元のハッシュ値と改ざん後のハッシュ値を見比べれば改ざんされたか否かが一目瞭然となる
- ハッシュ値の応用
- ファイルの破損・改ざん検出
- メールの破損・改ざん検出
- デジタル署名
- タイムスタンプ
- ブロックチェーンはブロック状にまとめられたデータが数珠つなぎに接続されてチェーンを形成しているもの
- ブロックチェーンは非中央集権の分散型データベースでありで書き込み専用で改ざんが困難と言われている
- ブロックチェーンはP2Pで繋がっている
- 現在の技術では動画データなど容量の大きいものは格納できない
- ブロックチェーンは参加者全員の間に信頼関係がない場合でも信頼できる取り引きができる仕組みになっている
- 中央集権型にのデータベースは管理者の判断に委ねられるがブロックチェーンは非中央集権なので参加者全員の合意がないと成立しない。ゆえに改ざんがほぼ不可能ということになる
- 参加者が誰も信用できなくても計算結果が信頼できるから良しとする考え方
- ビットコイン取引所の役割
- ブロックチェーンが改ざんされにくい理由は割に合わないから
- ブロックチェーン自体を最初から作り直せば不正ができなくはないがそれをやるには点も学的な労力を要するため割にあわない(改ざんのために莫大な投資が必要となる)
- また、他のマイナーとのスピード勝負になるため、他の圧倒するリソース(資金、設備など)が必要となる
- であれば、不正ではなく正当にマイナーとして従事し報酬を得たほうがよいという判断になる
- ビットコインの上限発行量は20999999.9769BTCと決められている
「技術」には、おおむね「思想」がセットでついてくる。「技術はロジックで組み上げられた冷静なしくみだから、感情や思想とは無縁のものだ」と考えられていると、技術を読み間違えることがある。
~
インターネット技術に密接にかかわっているにもかかわらず、なかなかインターネット企業とは認めてもらえなかった(いまでも認めてもらえていないかもしれない)マイクロソフト社は、何がいけなかったのか。プロプライエタリ(独占的)にコードを秘匿し、大儲けをしている、その事実がインターネット的ではないのである。インターネットは、特定の価値観を指す言葉でもあるのだ。
~
ブロックチェーンが社会に浸透するにつれて、このように「初期の理想」とは違う方向へ技術が書き換えられ、運用の方法に変更が加えられていくだろう。技術を理解し、使いこなそうとするとき、最初の印象を引きずり続けないこと、変化に柔軟に対応していくことはとても重要である。