going

読書記録と日常のあれこれ。

AFTER SOCIAL MEDIA|読書メモ

読書メモとして。

書籍の概要

  • 現代社会におけるメディアのあり方と存在意義を消費者視点で問い直し、今後の道筋を指し示しているのが本書の大枠
  • 特に情報過多時代におけるメディアの定義や世代間ギャップをアンケート調査や密着取材を通して洞察し、丁寧に読み解き、わかりやすく解説されている
  • 消費者がどのように情報を得ているのかをインサイトに迫る形で整理し、情報発信者やメディアは今後どの様なことに注意を向けるべきなのかも触れられており、最終的には製造業のメディア化やスマートシティによる都市のメディア化まで話は広がり、3-5年先位の未来についてもちょっとした示唆を得られる内容

第1章 情報過多社会と新たなメディア接触の謎

  • メディア接触時間は増え続け1日400分を超え、あらゆる世代で「情報が多すぎる」と思っている
  • その理由はスマホの普及と5G、IOT等のIT技術の発達し、朝から晩まで”ながら”と”すきま”で情報に触れることができるようになったから
  • 若年層のメディア接触スタイルの違いから10代後半~20代(若年層)のスマホソーシャルメディアの利用時間はそれ以上の年代に比べて格段に長く、そこに他の世代との「ズレ」が生じている

第2章 「ズレ」ているから話がかみ合わない

  • ニュースなどの情報接触スタイルが能動的か受動的かの違いが世代間の「ズレ」を生んでいる
  • 若年層は受動的接触がメインでスマホから得られる目についた情報(ニュース)で十分と感じている
  • またLINENEWSなどのお気に入り登録やソーシャルメディアで流れてくる記事だけで情報接触は十分という声もある
  • すなわち若年層にとってはタイムラインが自分にとっての世間という見方もすることができる
  • 30代以上の層はYahoo等のポータルサイトに馴染みがあり、情報収集もの能動的に行うか、受動と能動の両方を使い分けている層が多い

第3章 変容するソーシャルメディア

  • 主要メディアのメリット
    • Yahooニュース:様々なメディア情報をまとめて見られること
    • Twitter:情報の速報性
  • LINENEWS:使用率が高いLINEというサービスの中でニュースにふれることができる手軽さ
  • ソーシャルメディアはサービスごとに特徴や利用者像がちがうため、変容するソーシャルメディアの役割に視点を切り替える必要がある
  • ユーザー視点では限られた時間の中で合理的に情報を集めたいという傾向があり、閲覧履歴や好みにあわせてレコメンドされる仕組みも理解した上で利用する人が増えてる
  • 並列的に多様なメディアを利用している若年層へのリーチのカギは、伝えたい相手が自分にとっての”自分事”になる文脈をいかに用意できるか、がポイントとなる

第4章 たまたまが生む「残念」なニュース体験

  • 気になった点なし

第5章 メディア環境を再構築する人たちの登場

  • 情報過多時代の消費者はメディア接触に敏感で、自分のメディア生活を再設計しようとしている
  • すなわち、「主導権」は消費者にある
  • メディア接触時間は減らせないため、接触時間をより良いものにしたいという意識を持ったひとが増えている
  • 裏を返すとハズレを引きたくないということでもある
  • 消費者は時間あたりの価値の中身で「メディア満足」を捉えている
  • 一つは効率的に短時間で多くの情報や内容を得られるという「減産時間価値」。もう一つがコンテンツに関する情報を深めていく「加算時間価値」というもの。
  • メディアやコンテンツの送り手はコンテンツの中身が面白ければ見てもらえると考え、「価値を高める」「質をい高いコンテンツをつくる」となりがち
  • それは正しいアプローチではありつつも、消費者側がメディアと接触している瞬間がどの様な時間なのかを意識し、捉えることが重要になってきている

第6章 大学生のインサイトから近未来を洞察する

  • 気になった点なし

第7章 情報過多と「ズレ」の要因を知る

  • メディア環境の経験差がズレを生んでいる
    • 世代、家庭、職場等の複数の要素が絡まり合っている
  • 若年層にとっての世の中の「今」はTwitterのトレンド
  • しかし、ソーシャルメディア全体で過去の投稿をタイムラインに混ぜるようになり「今」が曖昧になっている。格差やが利用者のつながりや気持ちよさを重視したアルゴリズムにより情報を最適化した結果、不特定多数=「みんな」ではなく、家族や友人=「みんな」という使わ方になっている。(みんなは世間ではなくごく身近な一部でしかなくなっている)
  • 情報接触が増えるほど不特定多数のみんなが消えていくのは面白いことで、結果、IT発達以前の狭い世界に戻っていく可能性がある

第8章 情報過多社会を超えていく

  • InformationOutからLifeInへ
    • 5GやIOTの普及により、あらゆるモノがネットに繋がる時代は、消費者はあらゆるモノ、場所、企業から情報(広告)に触れれうようになる
    • そのため、これまでのようなInformationOutの考え方では単に情報過多を助長するだけになるため、LifeInの考え方で消費者と繋がる必要がある
    • アプローチ方法としては、ユーザーが情報に触れてから実際に行動に移すまでを設計するなど(※カスタマージャーニーを意識)
  • メディア・プロモーションはどのようにすればいいのか
    • 複数の異なるメディアからアプローチする
    • 「ふと気付けば、いつもそのブランドに接している」「付かず離れずに、自然と周りに配置する」ことが大事
    • 気になって接触した際にハズレだと思わせないこと(コンテンツであれば品質)
  • エデルマンのレポートでも信頼性を繋ぐの上でオウンドメディアは重要と説いている
  • 不確実な情報が拡大する時代は面白さや楽しさよりも正確な情報を消費者に届ける必要がある
  • オウンドメディアはファンが直接接触するだけでなくあふれる情報の参照元としても位置づけられる
  • ソーシャルメディア、オウンドメディア、ネット広告、テレビCM等企業側の手段が増えているからこと品質コントロール全体最適の視点が重要となる
  • スマートシティにより、都市もメディア化する

その他、学びポイント

  • 1.”情報”に対する世代間ギャップ-情報整理か、情報共有か-
    • 情報過多時代において欲しいと思うサービスについて、30代のビジネスパーソンは自分の興味関心に応じて情報をまとめてレコメンドしてくれるサービスを欲しており、20代の学生は友達と気になる情報を共有できるサービスが欲っしている
    • ここに世代間ギャップ(ズレ)が生まれていると筆者は述べており、情報に対するスタンスやそもそもの”情報”の定義についての認識の違いなどがその例としてあげられている
    • 20代は”知りたいことだけを知っておけばいい”という意識が全世代中トップ
    • 興味関心のジャンルも世代と性別でバラつきがある(これは当たり前)
    • 大事なのは欲しい情報によってメディアを使い分けているという点で、その中でもソーシャルメディアを活用する比率が女性を中心に増えてきているときうこと
    • ニュースの定義として何を指すのか、という点においては、「政治や経済などの社会の情報」「音楽や芸能などの情報」が多くを締める
    • SNSのタイムラインが自分にとっての世間、という認識があり、特に10代-20代の若年層で顕著
  • 2.SNSの使い方
    • 前提として、全世代で見るとLINE→TwitterInstagramFacebookの順の利用率
      • もちろん世代間でシェアは異なるし、SNS毎にユーザー像の違いもある
      • Facebook:意識高い系
      • Instagram:キラキラ系
      • Twitter:内向き系
        • かなり雑ではあるがイメージをばっくり捉えるのであればそう間違ってはいない印象を受ける
    • 検索=ググるというのも主に30代以上がメインらしく、10代、20代は検索=SNS検索のほうが一般的になりつつある
  • 3.やはりオウンドメディアは重要
    • 情報過多だからこそ、信頼できる情報を選ぶのが難しいからこそ、企業はオウンドメディアで消費者が欲する信頼性の高い情報を届けるべき
    • それば消費者への認知となり、共感を生み、将来の顧客候補を生む手助けとなる
    • もちろんオウンドメディア単体で全てを解決するとは考えず、選択肢の一つとしての役割を意識し、他の施策とのつながりや相乗効果を鑑み、アドバイスできる視点とスキルと知識が必要となる