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読書記録と日常のあれこれ。

コーヒーで読み解くSDGs|読書メモ

SDGs、よく耳にするけどよくわからん。そんな人も多いと思う。この本ではそんなSDGsとコーヒーを結びつけて17の課題と解決の方向性をわかりやすく説明している。
コーヒー業界は生産側の途上国と消費者側の先進国という構図が形成されていて、前者は貧困、飢餓、健康などの課題を多く抱え、後者は気候変動やつかう責任などの課題を抱えている。まさにコーヒー産業はSDGsの縮図でいっぱいのコーヒーのありがたみやフェアトレードの重要性をほんの少しだけど理解することができた。

少し話はずれるけど、だいぶ前に見た「おいしい真実のコーヒー」でも生産国の悲惨な状況と、ある意味搾取に近いことをしている消費国の対比が描かれていて結構ショックを受けたこをと思い出した。

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SDGsは全世界(国連加盟国)の共通目標で未来への約束なので、企業も個人もできることからコツコツやるしかないんだよな、とあらためて思うに至った。
企業としてはESG投資が数年前から注目されていて、さにSDGsの課題と向き合う姿勢が試されているし、個人(消費者)に社会によいことをしている企業の商品を指示するようになってきているから今後はより良くなっていきそうな気がする。

いつもどおり気になった、印象に残った箇所を下記にメモ。

書籍

  • 著者 川島良彰、池本幸生、山下加夏
  • 発行 2021年3月15日

章立て

  • 序章 SDGsと持続可能な開発
  • 1 貧困をなくそう 「コーヒー危機」と貧困
  • 2 飢餓をゼロに コーヒー生産で飢餓から脱する
  • 3 すべての人に健康と福祉を コーヒーがもたらす健康と福祉
  • 4 質の高い教育をみんなに コーヒーがもたらす教育
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう コーヒー生産とジェンダー平等
  • 6 安全な水とトイレを世界中に コーヒー農園と安全な水
  • 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに コーヒーとクリーンエネルギー 
  • 8 働きがいも経済成長も コーヒーが生み出す働きがい
  • 9 産業技術革新の基盤をつくろう コーヒーの技術革新
  • 10 人や国の不平等をなくそう 不平等をコーヒーで解決する
  • 11 住み続けられるまちづくりを コーヒーとまちづくり
  • 12 つくる責任 つかう責任 コーヒーをつくる責任と飲む人の責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を コーヒーの気候変動対策
  • 14 海の豊かさを コーヒーで守る海の豊かさ
  • 15 陸の豊かさを守ろう コーヒーで守る陸の豊かさ
  • 16 平和と公正をすべての人に コーヒーで平和と公正を
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう コーヒーのパートナーシップ

メモ

金儲けのためなら何でもするマネーゲーム実体経済を傷つけ、「脆弱な人々」を苦しめている現実に、私たちはしっかり目を向けなくてはなりません。

コーヒー価格の下落と投機資金の関係が関係しているのでは文脈。国際価格に対して生産国の影響力がほぼ無いという点が問題。

「たった1%」が問題なのは、消費国が室の悪いコーヒーを飲まされているというだけでなく、低品質・低価格のコーヒー豆に対する需要が高まると、それに応じて生産国でも低品質・低価格のものを大量に作ろうとするようになるからです。生産者は、高品質のコーヒーをつくとうというインセンティブを失い、品質が低下していきます。ブラジルやベトナムが輸出を伸ばしているのにはこのような背景があります。

負のループ。提供価値=安価にスコープする企業と消費者側の意識が絡み合っているので難しい。

消費者としてはどうしても安さに目が向き、安いものを買ってしまいます。それは、品質を犠牲にして安さを求めているということであり、それが「たった1%」という状況をもたらしています。そう考えると、先進国の消費者側も「搾取する側」にいるという事実が浮かび上がってきます。

間接的すぎて気づかないパターン。

東南アジアやアフリカ地域を含む世界各地にその文化が広がったこともあってコーヒーの消費量は年々増加しており、2050年までにその需要は3倍に増加すると言われています。

3倍と聞くとめちゃくちゃ伸びる感じはしないけど2050年問題で供給量が減るだろうという点を踏まえると需給バランス的に値上がりや高級化が進みそうな気がする。そうなるとそこそこの豆を大量に仕入れて安く売っているところはかなり厳しいだろうな。