PDP創業者 杉元さんの書籍。世界的に評価されている日本のサービスクオリティは属人的であり属日本人的であるため、仕組み化や標準化が難しいと考えられている。ただ、「俺の背中を見て学べ」的な考え方だけでは日本のサービスレベルの底上げにはつながらないため、それらを解決するために感動創出企業を目指して「感動の技術化」に挑戦するPDPのノウハウが惜しみなく書かれている。
サービス業に限らず見習える部分が多いので自分の仕事に置き換えてどんどん試していきたい。
以下、学びメモ。
章立て
学びメモ
日本のサービス業は、属人的であると同時に、属日本人的でもあるのです。
- たしかに。過剰適合は強みと弱みが表裏一体
- グローバル化を考えたときにそれが足枷になることがある
- 国内展開のみで考えた場合でも人材獲得が難しかったり、教育コストが上がったりという難題にぶちあたる
- チェーン店のマニュアル化が絶対解というわけではなく、マニュアルで見える化し、ベースを作り、その上で個人の味を上乗せしていくというのが最適解なのではと思う
サービスの要素を分解して、どの要素をどう掛け合わせていくと高い確率でお客さんが感動するのか
- 要素分解はどの仕事でも使えるので絶対やるべき
- その中でコントロールできること、できないことを仕分けてできることに注目する
- できることの中でも優先順位を付け、リソースを配分する
- 書くと簡単だけどこれらをきっちりやるには理論と実践による経験の両方が必要なのですごく難しい
細かいアンケート項目をさまざまに数値化して、定量的な評価によって事業ごとに改善する
- アンケートの目的と設計も難しい。ここを間違えると全てが台無し
- 定量と定性は両輪で回す
- 感動の技術化=記憶×曲線×連鎖
いずれにしろ方程式を組み立てるというのは、お客様のことを想像する能力が必要となり、かなりクリエイティブな仕事となります。
- 方程式をベースにケース・バイ・ケースで応用していく。そこで必要になるのは各人に蓄積されたスキル
誰が見てもお客様の記録が共有できるようにすることで、効率化を図っています。
PDPには「スーパースターはいらない」というキーワードがあります
- スーパースターは一時的にお客様を惹きつけ売上成長に貢献するが離職と同時にそのメリットも享受できなくなる
- それは企業の競争力ではなく個人のスキルに頼り切りの状態
- そうならないために個人の能力を標準化し再現性を持たせて組織力を高める方が大事という考え方
- これはサービス業に限らず言えることでスーパー営業マンに頼りきりのチームは常に大きなリスクと隣合わせということを念頭に置かなければならない
- 標準化や定型化=悪や没個性化ということではなく、基本的なスキルをチーム全体で底上げし、そこに加えて各個人が持っている知識や経験、スキルを掛け合わせっることでアウトプットを最大化できるチームが最強
- 加えて、形式知×形式知で新結合を見い出せたら最高
5つの事業にはまた、それぞれ「感動のデザインブック」というものが用意されています。
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みんなが同じ言語を使って、同じベースに立って「感動の技術化」を実行するためのマニュアルであり、自らの行動を検証するために資料です。
- 共通認識を合わせるためには同じ言葉を同じ意味で捉えられる必要がある
- マニュアルは品質を底上げするためのツールであり、金太郎飴を作るためのものではない
- フォーマット化とは仕掛けをつくること
- 仕組みを実現するために仕掛けを作る。これらを徹底することで組織は自走できるようになる
- ビックピクチャーであればあるほどトップダウンで言い続けることが大事
- 反感もあるがしっかりと対話し、理解と共感を促さないと現場はついてこない
- 破壊と再生
- サービスは即時性や消滅性があるため言語化しにくいしその場にいないとサービス全体のストーリーとその要素がわからない
- だからと言って俺の背中を見て学べ、というやり方はナンセンス
- 解決策は徹底的に見える化すること。暗黙知を形式知化して正しく共有する
- この当たり前を愚直に実行し続けることでサービスという無形で捉えにくい概念を体系化し企業の資産として蓄積することができる
- それが競争優位の源泉となる
- たしかに、内部のオペレーションは競合からも真似されにくいため、表面的な差別化やポジショニング戦略と比較しても非常に有効だと思う
- これは自社でも絶対やったほうがよい
「こうあるべきだ」という理想像をつくっていかないと、浸透しないなと思いました。
- ビジョンアプローチ>ギャップアプローチはたしかに
- 言って終わりではなく言い続けて共感と共に浸透させるまでがトップとマネジメントの仕事
- そのためにはビジョンを考えた意図や背景、その理由のすべてオープンにすべき
いちばん大事なのは徹底して継続的にやりぬくこと。それをやれるところが勝つ
- 勝つまでやる。納得しかない
- 変に賢いヒトの場合、賢いがゆえにコスパ重視やリスクに目がつき、やる前にあきらめてしまったり、ちょっとやってすぐやめちゃう気がする
- やめるまでは完全なる失敗とは言えないので健全な悪あがきは絶対に必要
「感動」の再現性をより高めるために、フォーマット化できるものは、すべてする。
- これも納得
- サービス業としてはかなり挑戦的だけどフォーマット化してベースを底上げすることで個のスキルも活きる。それがお客様の感動を生み、競争優位性にもつながる
- 言葉選びも大事
- 感動の技術化
- 筋トレしまくる経営改革
- 一見マニュアル化できそうもない非定型のところをどうやって「見える化」し、再現可能な「仕組み」にできるかが、勝負の分かれ目になってきている