経済学者 野口 悠紀雄さんの著書で仮想通貨について学んでみたくなり手にとったのがこの本。入門の名の通り、基礎の基礎をQA方式でわかりやすく説明されている。用語に関する説明も丁寧で無知な自分でも詰まることなく読み進めることができた。ビットコインだけでなくブロックチェーンの基本についても知ることができるため、投資や経済に興味がなくても最新のテクノロジーを知るという意味で価値あり。以下、見返すようとしてまとめておく。(2018年の書籍のためアップデートされている情報りそう)
第1章 ビットコインとは何か?
- ビットコインとは2009年から運営が始まったインターネット上で使うことができる通貨のことで、似た仕組みの通貨の総称を仮想通貨と呼ぶ
- ビットコインには管理者が存在せず利用者が直接情報をブロックチェーンに送信することで取引がなされている
- ちなみに電子マネーは管理者がいて中央集権的に管理されている
第2章 ビットコインを実際に使うには
- ビットコインは銀行と比較して手数料、利用可能時間、即時性などの点で優れている
- ビットコインを送金する場合は、ビットコインそのものの送金手数料と現実通貨への両替に伴う損益がある
- 送金手数料は取引所により異なる
- 円への転換コストは価格変動幅により異なる
仮想通貨で経済活動を行い利益を得た場合は税金がかかる
第3章 銀行が仮想通貨を発行する
仮想通貨は、送金の手段であって、投機や投資の手段ではありません。しかし実際には、ビットコインは投機・投資目的で購入される場合が多いのです。これは仮想通貨の本来の使い方ではありません。メガバンクの仮想通貨が、送金手段としての側面を重視していることが評価されます。
- 仮想通貨の今後については3つのシナリオがある
中央銀行が発行する仮想通貨が現実のもになると、「ビッグ・ブラザー」の社会になり、全国民が非常に細かく行動を監視される社会になる危険があります。つまり、自由主義的な世界と全く逆の世界が登場します。我々はいま、どちらの方向に進むのか、大きな分岐点に立たされています。
- 日銀で実験がスタートしていた
第4章 ブロックチェーンとは何か?
- ビットコインの中核的基礎技術であり電子的な情報を記録する新しい仕組み
- 取引記録をネットワーク参加者全員で公開された台帳に記入し管理する
- 10分間に世界中で起きたビットコインの取引データをブロックという1つのまとまりに書き込まれる(だからブロックチェーンなのか)
- 従来のクライアント・サーバー方式による中央集権型ではなく、P2Pによる分散型の仕組みで改善や二重取引などの不正が事実上不可能とされている
- P2Pというネットワークは誰でも自由に入れるコンピューターの集まりでこれを構成するコンピューターをnodeといい、その取引が正しいかどうかをチェックする
- チェックは予めプロトコルのルールに従い、nodoの全員が同じデータを受け同じチェックを行うことで不正が行われていないことを監視し、全員が正としないと取引情報は記録されない
- インターネットにできなかったことは下記2点でブロックチェーンは解決できる技術を持っている
- ①経済的価値を送ること
- ②信頼を確立すること
- ブロックチェーンには大きく分けてパブリックとプライベートの2つの方式がある
第5章 ブロックチェーンの応用が広がる
- 証券、保険、資金調達などに応用されはじめている
- エストニアでは2014年12月からブロックチェーンによる公証サービスが開始されている
- 日本ではオートバックスセブンが中古車のトレーサビリティを目的に導入している
第6章 シェアリング・エコノミーとブロックチェーン
第7章 IOTとブロックチェーン
中央集権型なクライアント・サーバー型のシステムでは、トラフィック数が膨大になると、サーバーに負荷が集中してボトルネックが発生しやすくなります。しかも、IoTに接続される機器が多くなると攻撃にさらされやすくなるため、これに対する防御策を講じる必要があります。こうした問題を解決するために、ブロックチェーンを用いてシステムを運用することが提案されています。
第8章 分散自立型組織DAOが作る未来社会
- DAOとは自律分散型組織(Decetralized Autonomous Organization)の略
- 従来の組織は経営者や管理者がおり意思決定をしていたがDAOは管理者が存在しない
- 多数のコンピューターが形成するネットワーク(P2P)がプロトコルに定められたルールに従って判断し決定し実行する
- ブロックチェーンを活用することで”経営者がいなくてもよい組織”が生まれる
- ビットコインがDAOの一例
- DAOにより変わる組織
- ①伝統的な株式会社(経営者も労働者もいる)
- ②ロボットを使う会社(経営者はいるが労働者はいない)
- ③DAO(労働者はいるが経営者はいない)
- ④AIとブロックチェーンによる完全自動会社(経営者も労働者もいない)
1849年にカリフォルニアに金が発見され、それを求めて世界から人々が殺到しました。この時起こったことは、多くを教えてくれます。
本当に豊かになったのはマイナー(金の採掘者)ではなく、ジーンズなど、マイナーが必要とするものを提供したリーバイ・ストラウスだっったのです
- アクセンチュア
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https://www.accenture.com/jp-ja/insights/technology/technology-trends-2021