インテル創業者であるアンドリュー・S・グローブの名著。
初版は「インテル経営の秘密」というタイトルで約30年前に発行され、一時絶版に。
時を経て、内容そのままにタイトルだけ変わり再販。
時代背景の差はあるが、経営に関する本質的なコトが述べられており、
チームを率いる全ビジネスパーソン必読な内容に思う。
マネージャーの役割、考え方、やるべきことが平易な言葉で書かれ、巻末には
現状確認用のチェックリストもついているため、非常にありがたい。
以下、自分用のメモとして印象に残った箇所を記しておく。
①「マネジャーのキャリア・マネジメント」
- 常に「事業経営者として働いている」という意識を持つ
- 職場の同僚の100万倍もの人々が自社と競合している組織で働いている
- 個人としての競争優位性を保つために、絶えず熱心に自分を磨かなければならない
- 自分の進路や職歴に関しては自分だけが唯一の所有権者なのである
- 私が我が運命の支配者、私が我が魂の指揮官
- 環境変化の犠牲者にならないためには自らのキャリアを管理しなければならない
- 1.あなたは本当の価値を付加しているのか、それとも単に情報をあちこちへ流しているだけなのか。付加価値をどうやってたかめようとしているのか・・・という問い
- 2.第二の問いは、自分の周囲で何が起こっているかに関して、いつもアンテナを張り、回路を接続して、情報収集を怠らないでいるか
- 3.新しいアイデアや、新しい手法や、新しい技術をいつも試みているか
②「マネジャーのアウトプットの考え方」
- マネージャーのアウトプット=マネージャーの活動×自組織のアウトプット+隣接組織のアウトプット
- 1.マネージャーが自らの活動を遂行する速度を早めて、仕事をスピードアップする
- 2.いろいろな経営管理活動に関連のあるテコ作用を増加する
- 3.マネージャーの活動のミックスを、テコ作用の低いミックスから、より高いミックスに換える
- テコ作用の大きい活動を見極める
- 最小の力で最大の成果を発揮できる
- 自分自身のテコ作用の最大化
- テコ作用を最大化させる
- スピードを上げる
- やり方を変える(仕組み化する)
- 一般に、多くのステップは大した理由もなしに作業の流れの中にただ存在していることがわかるだろう。伝統的にそうだからとか、正式の手続き上決められているからということで、行われていることが多い
- 委譲する人と委譲される人はどのように問題を解決していくかについて、共通の情報基盤と共通した業務処理場の考え方を持たなければならないが、この点がよく見落とされがち
- 朝食工場の話
- 最も価値の低い段階で問題を発見する
- リミッティングポイントを見極める
- 先行指標を見極める
- 費用対効果上のもっとも良い方法、つまり、あらゆる種類の生産作業を最適化するカギを発見すること
- よいインディケーター(指標)が必要になる
- インプット(原材料)と労働力(ウェイター、助手、マネージャー)がボックスに入り、アウトプット(朝食)がボックスから出てくる
③「チームマネジメント」
- フォローしない権限移譲は職務放棄
- ミーティング
- プロセス中心のミーティング
- ワン・オン・ワン
- 部下の習熟度により頻度を変える
- テーマとアウトラインは部下に考えさせる
- 上司は何が起こっているのか、何に困っているのかを説明させるためのサポートをする
- ワン・オン・ワンでは何を話し合うべきか。初めは実績数値、部下が使用しているインディケーター、例えば、受注率、生産量、プロジェクトの状態等を話し合うのもよい
- ただし、重点はトラブルの存在を知らせてくれるインディケーターに置くべきでかる
- きわめて重要なのは潜在的な問題である
- スタッフミーティング
- 監督者の最も重要な役割は調整役であり、進行促進係であり、早わとテーマのツッコミ具合を調整するコトローラーである
- 業務検討会
- 相互に話し合う機会のあまりない人々のための意見交換の場であり手段である
- 使命中心のミーティング
- 特別な目的のために随時開かれるのが普通で、特定の成果を上げるためにひ、それも多くの場合、一定の意思決定に到達するようにと企図されている
- このミーティングの成功のカギは司会者gあ何をやるかにかかっている
- ミーティングの時間をコスト換算することで重要さを可視化する
- 意思決定は見るスポーツではない。見物にはやることの邪魔になる
- 時間の浪費は会社の鐘を溝に捨てることであある
- 仲間のマネージャーの時間泥棒を見逃してはならない
- 議論の内容、決定事項、取るべき処置などを知らせる
- 議事録はできるだけ明瞭かつ具体的に記録し、何をしなければならないのか、誰がするのか、いつやるのかを読み手にわからせる
- 個人の動機づけ「自分の利益」に基づくときは、いかなるコントロール方式もうまく働かない。この状況は、沈没する船上でみんながじぶんだけは助かろうと争うのと同じで混乱が生じるだけである
- マネージャーにできることは、もともと動機づけのある人がかつやくできる環境をつくることだけとなる
- これは以外。動機づけがない人材の育成もその職務であると考えていたため
- われわれが高度のモチベーションをおこさせて接続させようと思えば、いくつかの欲求はいつも満たされないままにしておかなければならないことになる
- われわれは一般的有能度とタスク習熟度を混同していたのである
- 部下の授業料を顧客に払わせていること。これは絶対に正しくない。
- 業績の良くない人は自分の問題を無視する傾向が強い。そこでマネージャーはその真実を示すことができる事実と具体例を持つことが肝要である